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ホームページ保守で含まれる作業と含まれない作業
ある会社のサイトは、公開から半年、月額の保守で落ち着いていました。お知らせは月に2本。原稿と写真をメールで送り、翌日にはページになっている。営業時間の変更も、1行直すだけで終わっていました。
秋になって、新しいサービスを1つ始めることになりました。担当者は「保守に入っているから、ページを1枚足してもらおう」と依頼しました。返ってきたのは、別見積もりです。トップのデザイン変更と、サービス説明の新規ページ、原稿がまだないことまで含まれていたからです。
どちらが悪い、という話ではありません。月額に入る作業と、制作として数える作業が、契約の時点で言葉になっていなかったのです。同じ「保守11,000円」でも、A社は記事4本と稼働確認まで入り、B社は監視だけで記事は1本ずつ別料金、という違いは普通にあります。
この記事では、SONOSVIEWの保守を例に、その線を一緒に引いていきます。他社の契約を読み比べるときにも使えます。
なぜ、月額の金額だけでは比べられないのか
保守の見積もりは、家賃の比較に似ています。金額が同じでも、光熱費込みか、更新料が別かで、1年の支出は変わります。
ホームページの月額も同じです。見るのは「11,000円」という数字ではなく、その中に、サイトを動かし続ける作業と、中身を新しくする作業の両方が入っているかです。
現場で起きるすれ違いは、だいたい次の3つです。
- お知らせは月額、新規ページは別、と分かれていない。 依頼のたびに「これはどっちですか」と聞き返すことになる。
- 記事公開が、原稿をもらって載せる作業なのか、ゼロから書く作業なのかが曖昧。 書く側の工数は、載せる作業の何倍にもなります。
- 落ちたときの連絡と、普段の文章修正が、同じ「保守」という言葉に入っている。 監視だけの契約だと、文章を直すたびに追加になります。
どれも、担当者が怠っているから起きるのではありません。契約書の1行が、日々の依頼の形と揃っていないときに起きます。
金額の横に中身を書く必要があると分かったところで、その中身を2つに分けてみます。
保守には、どんな2つの役割があるのか
月額保守は、だいたい次の2つに分かれます。
- サイトを開いたままにする。 ページが表示されるかの確認、軽い不具合、変更の記録、公開の仕方に沿った運用。
- 書いてある内容を、今の会社に合わせる。 お知らせ、ブログ、文章や画像の差し替え。
たとえるなら、1はビルの月次点検です。電気がつくか、非常口の表示が落ちていないかを見ます。2は、1階の掲示板の紙を貼り替える作業です。点検契約に、新しい部屋を増築する工事まで入っていることは、ほとんどありません。ホームページでも、新しいページを1から作る作業は、掲示板の貼り替えではなく増築に近いです。
「保守に入っています」と言われたとき、最初に確認するのはこの2つのどちらまでか、です。1だけなら、文章を直すたびに別料金になります。2まで入るなら、月に何本までかを続けて聞きます。

2つの役割が分かれたら、SONOSVIEWの標準保守では、それぞれの階に何が入るかを具体的に見ていきます。
標準の月額には、何がどこまで入るのか
料金の標準保守管理は、11,000円/月〜です。入る作業は次のとおりです。
| 作業 | どこまでか | 現場の依頼例 |
|---|---|---|
| 記事・お知らせの公開 | 月4記事まで。もらった原稿と画像をページにする | 「この文章と写真で、お知らせを1本」 |
| 軽い文章修正 | 誤字、日付、価格表の1行 | 「営業時間を18時までに」 |
| 画像の差し替え | もらった画像を、今ある枠へ入れる | 「スタッフ写真をこの1枚に」 |
| 軽いサイト修正 | 今のレイアウトの範囲 | 「フッターの電話番号だけ」 |
| 稼働確認 | サイトが開くかの確認 | 表示できないときの切り分け |
| 変更履歴 | いつ、何を変えたかの記録 | 先月直した価格を、後から確認する |
| 公開の仕方に沿った運用 | ログイン画面を増やさない、など | 更新の手順を崩さない |
更新が多い場合は、22,000円/月〜で、月8記事程度を目安に相談します。差は「サイトの格」ではなく、1か月に載せる本数です。
記事が多いこと自体は、WordPressを選ぶ理由にはなりません。月額の違いは、こちらが対応する更新量の目安です。WordPressを続けるかどうかは、続けるべきか、HTMLサイトに移すべきかで分けています。
標準に入る「記事公開」は、原稿と画像をいただいて、Webのページにする作業です。企画、取材、最初から書く作業は入りません。書く作業まで月額に入れると、11,000円では回りません。そこを最初に言葉にしておくと、あとからの追加が驚きになりにくいです。
入る範囲が見えたので、次は反対側、見積もりが分かれやすい作業を並べます。線の両側を同時に見た方が、依頼の文面が書きやすくなります。
どうして、新規ページや原稿作成は別になるのか
標準の外に出やすい作業は、次のとおりです。
| 作業 | 別になりやすい理由 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| 企画・取材・本格的な原稿 | 調査して書く工数が、掲載とは別 | 内容を聞いてから |
| デザインの大きな変更 | 構成と見た目の作り直しに近い | 内容を聞いてから |
| 新しいページ | 今ないページを1から組む | 11,000円〜/ページ |
| 機能の追加 | フォーム、予約、会員など仕組みが増える | 内容を聞いてから |
| 撮影・イラスト | 写真や図そのものを作る | 内容を聞いてから |
| サーバーやドメインの契約変更 | サイトの中身とは手続きが違う | 内容を聞いてから |
「月額の中で、何でもお願いします」は、どの会社でも長くは続きません。続く契約は、軽い修正と新しい制作の境目が、依頼する側にも見えるものです。
境目に立ちやすい依頼を、3つ置きます。
依頼1。価格表の数字を1か所。 今ある表の、1行だけ。これは軽い修正です。
依頼2。新しいサービスの説明を、ページとして足す。 原稿が既にあっても、ページの枠そのものを新しく作ります。1ページ追加(11,000円〜)の側です。原稿がまだないなら、書く作業も別です。
依頼3。今月のお知らせを4本、すべて原稿付きで。 標準の4本にちょうど収まります。5本目から、本数の相談か、22,000円/月〜の側かを見ます。

表だけだと「うちの依頼はどっちだろう」が残るので、次は軽い修正と別料金を、もう少し日常の言葉で分けます。
軽い修正と、別料金の境目はどこか
迷ったときは、今ある塊を直すか、新しい塊を作るかで考えてみましょう。既存の段落を直すのは軽い修正に近く、新しいページという塊を足すのは制作に近いです。
軽い修正になりやすいもの
- 既にあるページの文章を、数行直す
- 既にある枠の画像を、もらったファイルに替える
- お知らせ1件を、いつもの形で載せる
- リンク先のアドレスを変える
- 営業時間や価格の数字を更新する
別料金になりやすいもの
- トップのデザインを変える
- サービスを1つ増やし、説明ページを新しく作る
- ブログを、取材して最初から書く
- フォームの項目を増やし、通知先を分ける
- スマートフォンの表示が崩れているので、組み直す
たとえば「ちょっと文言を足すだけ」でも、トップのキャッチコピーと、下の写真と、ボタンの行き先がセットで変わるなら、1行の修正ではありません。見た目の設計が動きます。反対に、料金表の「11,000円」を「12,000円」に変えるだけなら、ページの設計は動いていません。
境目が言葉になったら、もう一つ大きい分岐があります。ファイルを触るのが制作会社なのか、社内の担当者なのか、です。
お任せと、自社で直す場合は何が変わるのか
保守の中身は、誰がファイルを触るかでも変わります。
| お任せ(標準) | 自社でも直す | |
|---|---|---|
| 更新の流れ | 原稿を送り、こちらが公開する | 担当者がAIへ指示し、確認してから公開を頼む |
| 月額以外 | 保守費用だけ。AIの契約は不要 | 初期構築 55,000円〜と、AIサービスの利用料 |
| 必要な知識 | HTMLは不要 | 指示の出し方と、公開前の確認 |
| 残る責任 | 反映内容の確認は、依頼した側とこちら | 確認と公開の責任は、人の側に残る |
AIに頼めば保守が不要、にはなりません。AIは下書きと修正の速度を上げます。公開してよいかの判断と、履歴を残す作業は残ります。よくあるご質問でも、通常運用ではAIの契約は不要と書いています。
自社更新が合うのは、価格や在庫のように、週に何度も数字が変わるサイトです。月2本のお知らせなら、原稿を送るお任せの方が、手順は短くなります。
ここまでが中身の話です。契約する前、または今の契約を見直す前に、メールで揃えておくと話が早い質問を置いておきます。
契約の前に、何を聞いておけばよいか
次の8つがそろうと、追加の請求が「聞いていない作業」になりにくいです。
- 月に何本まで、記事やお知らせを載せられるか
- 軽い修正の具体例(何行まで、何ページまで)
- 画像の差し替えは、月に何回までか
- サイトが開いているかの確認は、どの頻度か。開けないときの連絡先はどこか
- 変更の記録を、誰が見られるか
- サーバー、ドメイン、SSL(通信の暗号化)は、誰の契約か
- 表示が崩れたとき、改ざんが疑われるときの範囲と料金
- 契約が終わったとき、渡されるデータ(HTML、画像、ドメインの移管)
8番は、月額の行には出ません。制作会社を変えるとき、ファイルがなく、担当者の記憶だけが残る、という引き継ぎはよく起きます。データが残っていれば、次の見積もりは読みやすくなります。
分からない項目は、空欄のままで構いません。空欄は「今の契約書に書いていない」という発見になります。
質問リストが手元にあると、WordPressの保守とHTMLサイトの保守で、何が足されるかも読み分けられます。最後にそこを比べておきましょう。
WordPressの保守と、HTMLサイトの保守は何が違うのか
WordPress(管理画面から記事を書いて公開する仕組み)の保守には、ページの更新に加えて、次が乗ることがあります。
- 本体、テーマ、プラグイン(機能を足す追加プログラム)の更新
- 更新したあとの表示確認
- プラグイン同士がぶつかったときの切り分け
HTMLサイトの保守は、公開しているファイルと、サーバーの設定が中心です。管理画面の更新そのものがない分、その工数は乗りません。それでも、原稿を渡すのか、管理画面で書くのかは、同じように確認が必要です。
| 見るところ | WordPressの保守で増えやすいもの | HTMLサイトの保守で中心になるもの |
|---|---|---|
| 毎月の作業 | 本体とプラグインの更新、表示確認 | 原稿の掲載、1行修正、稼働確認 |
| 壊れやすいところ | 更新後の表示崩れ、プラグインの相性 | 依頼内容と、反映したページのずれ |
| 月額に入りやすい更新 | 管理画面からの投稿(本数は契約による) | もらった原稿の公開(標準は月4本) |
どちらが安いかは、本数と機能で変わります。予約や会員が本体なら、WordPressの更新作業は残した方が合理的です。ログインは月2回、お知らせだけなら、HTML側の保守の方が手順は短くなります。
契約は、しないことも書いておく
続きやすい保守は、できることだけでなく、入らないことが書いてあるものです。
- 月4記事まで、原稿をもとに公開する
- 軽い修正と、サイトが開いているかの確認
- 企画、取材、最初からの原稿、新しいページは別見積もり
この線が合うと、更新は「依頼する、確認する、反映される」のリズムで回ります。合わないときは、月額を上げる、本数を減らす、自社の更新を足す、のどれかを選ぶ話になります。
サービスと料金もあわせて見てください。今の契約のコピーと、先月頼んだ更新が2、3件あれば、無理のない範囲を一緒に整理できます。